骨粗しょう症とは年齢を重ねるにつれて、骨の中のカルシウムの量が減ったことで骨が軽石のようにスカスカになってしまう状態のこと。骨の強度がもろくなり、骨折を起こしやすくなります。
背骨が変形して腰が曲がり、身長が縮んで老けた印象に見られることにもなりますし、荷物を持ち上げた、つまずいたといったとても些細な衝撃で、足のつけ根や背骨を骨折してしまい、それがきっかけで「寝たきり」になるケースも増加しています。
実際のところ、厚生労働省の調査によると、介護が必要となる人の8人に1人が「骨折・転倒」が原因と言われています。特に高齢の女性は骨粗しょう症になりやすいとされています。
人の骨は新陳代謝によって古い骨から新しい骨に生まれ変わっていますが、下記の要因によって骨の形成がうまくいかなくなると骨粗しょう症になってしまいます。
1. カルシウムが不足している
骨を作るもととなるカルシウムが不足すると骨の新陳代謝が衰えて、骨粗しょう症になりやすくなります。高齢の方は食事量が減り、カルシウムの摂取量も自然と減っているので要注意です。
2. 女性ホルモンが減少している
骨の新陳代謝に影響を与える女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が減少すると、骨粗しょう症になりやすくなります。気をつけたいのは、閉経後の女性です。また、極端なダイエットなどによって女性ホルモンのバランスが崩れると、若い女性でも骨粗しょう症になることはあります。
骨粗しょう症は自覚症状がほとんどないといわれ、気付かないうちに進行しています。 事実、骨粗しょう症または骨量減少と診断され、薬物治療を経験した40歳以上の男女約500人に調査した結果、「特に症状はなかった」と答えた方が47.6%というデータがあります。(※株式会社総合企画センター大阪調べ)
もし症状があるならば、次のようなことがあれば骨粗しょう症になっている可能性があります。
当てはまるものがあれば、骨粗しょう症の検査を受けた方がいいでしょう。
また、特に当てはまるものがなくても、40歳を過ぎたら一度検査をしてみることをおすすめします。
骨折をして初めて、骨粗しょう症に気付くという患者さんも多くいます。早めに検査をしましょう
骨粗しょう症にはいくつかの検査方法があります。
いずれも、痛みもない簡単な検査です。
1. 骨密度測定
骨の強度を判定する検査です。
骨密度値が若年成人(20~44歳)の平均値の70%未満で「骨粗しょう症」と診断されます。
2. レントゲン
骨折や骨の変形がないか、骨がスカスカになっていないかなどをレントゲンで判別できます。
他にも病気がないかを確認し、「骨粗しょう症」の診断の参考にします。
3. 血液検査、尿検査
血液や尿の検査で、骨代謝の指標である「骨代謝マーカー」の値を測定して、骨の健康状態を見ます。
4. 身長測定
若い頃よりも身長が4cm以上低くなっていたら「骨粗しょう症」を疑います。
骨粗しょう症と診断されたら、初期段階であれば食生活の改善や運動で対応していきますが、もし進行していたら薬での治療を行っていきます。詳しくは医師にお問い合わせください。
骨粗しょう症にならないためには、日頃の生活習慣を改善することが肝心です。
以下のことを日頃から実践しておきましょう。
1. 骨粗しょう症対策にいい栄養素を多くとる
2. お酒やタバコを控える
過度な喫煙や飲酒はカルシウムの吸収を妨げるので、骨粗しょう症のリスクを高めると考えられています。
量を控えたり、禁煙や禁酒をしましょう。
3. 適度に運動をする
筋肉は骨を支えています。筋肉を鍛えることで骨折を予防することが大切です。
長く続けるようにしましょう。
【運動例】
4. 日光を浴びる
日光を浴びることでカルシウムの吸収をよくするビタミンDが作られます。
日中に外出をして日光を浴びるようにしましょう。